「あ、やべ。コンビニで買ってくんの忘れた」
ぶつぶつとひとり言をこぼすあたり、本当に満足しているらしい。
なんなら、ちょっと浮かれてるようにも見える。
そんな涼くんに呼びかける。
「涼くん」
「ん?」
「わたしは、涼くんを好きになってもいい?」
「……は?」
なんでもかんでも顔に出るわけじゃない涼くんも、さすがに思ってもみない言葉だったのかその場で固まった。
わかりにくいけどこれ、涼くんなりの動揺。
「いい?」
念を押すように尋ねれば、涼くんは向かいに立った。
そして、わたしの頭に手を伸ばすと、いじわるばかりしてた頃からは想像もできないくらいのやわらかな笑顔を見せる。
「いいよ。むしろ、なれよ」
わたしにとって恭くんは憧れで、ずっと追っていたい光のような存在だった。
恭くんが夢を叶えることがなによりも大切で、応援しつづけることでそれがわたしの夢にもなった。
恭くんの幸せがわたしの幸せ。
その言葉に偽りはない。でも……。



