「どこから話せばいいかわかんないから、単刀直入に言うね。……わたし今、涼くんと付き合ってるの」
口に出した瞬間に、もう後戻りはできないことを悟る。
舵をとった。あとは進むだけ。
この先どうなるかわからない、広大な海を。
「少しまえに涼くんから告白されて──ずっと、好き、でいてくれてたみたいで。はじめは戸惑ったんだけど……涼くんのことをそういうふうに見たことがなかったから。でも、真剣なのが伝わって、お試しで付き合うことにしたの」
「……お試し?」
嘘はついてない。
けれど、本音をさらけ出したわけでもない。
言葉を探りながら口にしたわたしの話を、どう噛み砕けばいいのかわからないみたいに、真顔で聞いていた恭くん。
お試しの言葉にささやかな反応を示した。
「涼くんに提案されたの。急な話だったし、まだ答えを出すには早いって。だから、ちょっとずつ知っていくために、ね」
──こういう形をとった。



