自分の家を脅かそうとする毒、に見えるだろうことくらいは、わたしにだってわかる。
お母さんは優しい人だから、ちゃんとわけを話したら理解してくれると思う。
涼くんが帰れる家を取り戻していくことが、きっと恭くんたち家族の命題なんだ。
……けれど。
これまで、涼くんの気持ちを優先してゆっくり見守っていくスタンスだった。
どうして急に連れ戻す話が出たんだろう。
「それで、話があるんだよね」
恭くんは葉っぱから手を離し、こっちを向いた。
今は涼くんの問題を話す時じゃない。
それよりもまずは、自分自身のことだ。
「うん。……えっと、恭くんにはどうでもいいことかもしれないけど、一応伝えておいたほうがいいかなって」
わたしと涼くんが付き合っていることは、たとえわたしと恭くんの間に関係がなくても、恭くんと涼くんには関係があって、わたしたち三人の間にも関係することだから。
義務とまでは言わないけれど、黙っておく選択肢はなかった。



