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それからわたしたちは、ショップがたくさん入っている商業施設に入った。
平日にもかかわらず人がたくさんいて、ここもカフェと変わらない、むしろそれより雑踏としたにぎやかさを作り出しているけれど、カフェよりも居心地が良く感じられるのは、縛られていないからだろうか。
道行く人とすれ違うのはたった数秒。
数秒ごとに世界が変わる。
まわりを気にしなくてよくて、すごく気が楽だった。
でも、ふとした瞬間に気づかされる。
「それかわいいですよね。メンズサイズなんですけど──」
アメリカンな雰囲気の雑貨店でTシャツを広げて眺めているときだった。店員さんに声をかけられて。
「あえて大きいサイズを着られる女性もいて、お客さまのようなカップルの方々がよくペアルックで買っていかれるんですよ」
そのときは「へえ、そうなんですか」と流してしまったけれど、よくよく考えれば、忘れかけていた疑問を引き出すふしぎな言葉。
店員さんに、お客さまのようなカップル、と言われた。
わたしたちはカップルじゃない。
でも、涼くんに「ふりをしよう」と提案されて、それに応えた。
自分から話題に上げるのは、なんだか違う気がして放置してるけど……。
──あの話って、どうなったんだろう?
それからわたしたちは、ショップがたくさん入っている商業施設に入った。
平日にもかかわらず人がたくさんいて、ここもカフェと変わらない、むしろそれより雑踏としたにぎやかさを作り出しているけれど、カフェよりも居心地が良く感じられるのは、縛られていないからだろうか。
道行く人とすれ違うのはたった数秒。
数秒ごとに世界が変わる。
まわりを気にしなくてよくて、すごく気が楽だった。
でも、ふとした瞬間に気づかされる。
「それかわいいですよね。メンズサイズなんですけど──」
アメリカンな雰囲気の雑貨店でTシャツを広げて眺めているときだった。店員さんに声をかけられて。
「あえて大きいサイズを着られる女性もいて、お客さまのようなカップルの方々がよくペアルックで買っていかれるんですよ」
そのときは「へえ、そうなんですか」と流してしまったけれど、よくよく考えれば、忘れかけていた疑問を引き出すふしぎな言葉。
店員さんに、お客さまのようなカップル、と言われた。
わたしたちはカップルじゃない。
でも、涼くんに「ふりをしよう」と提案されて、それに応えた。
自分から話題に上げるのは、なんだか違う気がして放置してるけど……。
──あの話って、どうなったんだろう?



