「それもあるけど、わたしは涼くんが心配だよ。傷だらけになってるのに、だれにも見つけてもらえないようなところにいてほしくない」
「……わかった」
その返事を聞いて、やっと胸を撫で下ろせた。
「絢音」
部屋を出ていこうとしたら呼びとめられた。
「今日一緒に寝る?」
「えっ?」
「変な意味はねぇよ。おまえ、怖いの我慢してるだろ。ひとりでいるのが怖いなら俺がそばにいる。もう勝手に手を出したりしないから」
涼くんは静かな間、ずっとそんなことを考えていたのだろうか。
まっすぐに見つめてくるその瞳にはもう、昨日までの涼くんの姿はないように思う。
「ありがとう。気づいてくれてたんだね。でも、大丈夫だよ。今日はお母さんのベッドで一緒に寝かせてもらうから」
涼くんは昔からいじわるで、心にもないことを言ってごまかそうとする。
でも、だれよりも早くわたしの気持ちに気づいて、気遣ってくれた。
見た目は変わっても、涼くんに根付いた優しさは変わってないんだなぁ。



