「本当になにもされてない?」 身を翻すと、絢音は俺から離れた。 「うん、されてない。すぐに涼くんが助けにきてくれた」 ありがとう。俺の目を見てはっきりとそう言った絢音から、俺は目をそらした。 「ねえ、涼くん。一緒に家に帰ろう?」 向き合いたくない。 だけど、一緒に帰ろうと言って俺の手をつかんできた絢音の手は、振りほどけなかった。