「俺さあ、家に戻ろうと思う」
手をつないで歩きだしたところで、涼くんがそんなことを口にした。
「どうしたの突然」
「突然じゃなくてずっと考えてた。もうあのアパートねぇし、母さんのところに居座るわけにもいかねぇし」
「そうなの?」
「母さんも踏み出そうとしてるところだから」
「そうなんだ」
離婚して三年、お父さんは再婚した。
お母さんだって新しいパートナーを見つけていてもおかしくない。
子どもとしては寂しいのが本音だろうけど……涼くんも恭くんも応援してるんだなぁ。
「義理の母さんが嫌なわけじゃなくて、なんつうか、反抗期に後始末をつけられてないだけだから。いい加減、ちゃんとしねぇと」



