ふいに、イチョウを散らすほどの強い風が吹きつけた。乱れた髪を耳にかける。 伸びた髪が、時間の流れを教えてくれる。 「……涼くん、戻ってきて」 地面に吸いよせられるように落ちたイチョウみたいに、ぽろりと本音がこぼれた。 ふたりに出会って、三年間をわずかでも補完してもらったからこそ思う。涼くんの人生にわたしの知らない期間があるのは、もう嫌なんだ。 手に届くなら、一緒にいられるなら……そばにいてほしい。 戻ってきて。