「そういえば、このまえ真珠さんと雅さんに会ったよ」
「え、なんで?」
「友達の誕生日プレゼントを買いにって、たまたま偶然。涼くん、真珠さんたちに会いにいったんだね」
涼くんはうつむき、うん、とつぶやいた。
あまりに小さなうなずきだったから、ここが静かじゃなかったら聞き逃していた。
「わたし、勝手に怖い人の印象を持ってたけど、いい人たちだね。真珠さんも雅さんも」
「いいやつっていうのかね、ああいうの」
「うん。涼くんが仲良くする理由がわかったよ」
家を出てS地区に入り浸っていた涼くんの三年間は、決して闇に落ちていたわけではなかったと、真珠さんや雅さんに会って思うことができた。
ふたりが、わたしの知らない三年間を補完してくれた。
少し話しただけでわかった気になっているだけのような気もしなくもないけれど、ふたりに会えてよかったと思う。



