ふたりが双子である理由


「……涼くん!」


イチョウ並木の遊歩道で涼くんに追いついて、名前を叫ぶ。紅葉を見上げながら歩いていた涼くんは足を止めて振り返った。


たったそれだけのことで、ほっとするのはおかしいと思う。そこまで切羽詰まってない。


でも、呼びかけに応じて立ち止まってくれてよかった。無視される可能性も充分にあったから……。


「こんなところでなにしてんの?」


秋と呼ぶにはもう遅い冷ややかな空気が頬をなでるなか、涼くんが尋ねてきた。


「ここに来たのは偶然。涼くんの高校だって、バスを降りてから気づいた」


バス停の高校名を見てもピンとこなかったことに、涼くんの制服姿を見た瞬間に気づいた。ああ、そういえばこの高校、涼くんが通ってる学校だって。


恭くんもあまり意識しないで降りたようだったから、ここで涼くんに出くわしたのは完全なる偶然だ。


「休みの日なのに学校?」

「出席日数の埋めあわせで補習」

「そっか」


ちゃんと通ってるんだ。