ボタンのかけ違い──すれ違いと言い換えてもいい。
はじめに自分の気持ちを認めて伝えていたら、わたしたちはすれ違わずにいられたかもしれない。
わたしが涼くんを連れ戻さなければ、恭くんが僕好きに出ていなければ、わたしにもっとおおらかな心があれば……わたしは恭くんを好きでいつづけた。
そしたら、恭くんの気持ちに応えられたかもしれない。
タイミングが違っていれば……。
言ったところで仕方ないのに、そう思わずにはいられない。
取り戻すことのできない時の流れを身に沁みたわたしの心は、引き裂かれてもがき苦しむように悲鳴をあげた。
けれど、それと同時に思うことがある。
どれが正しいかなんてだれにもわからないんだから、自分の選んだ道を正解にするしかないのだと──。



