この辺で降りようかと恭くんに言われて、わたしたちは高校の名前が入ったバス停で下車した。
あれで帰れるからと、車道の反対側のバス停を指さす恭くん。恭くんはこのあとどうするのかと尋ねたら、「おれは散歩して帰る」と言う。
かなり長いあいだバスにゆられていたから家までけっこうな距離があるはずだけど、一緒に帰ろうとはどうしても言えなかったので、ひとりで帰ることにする。
バスの中で恭くんから告白された。
それは到底ありえないことのように思えるけど、恭くんがただの幼なじみ相手にいたずらにキスすることのほうがありえないから、恭くんの言葉は本当なんだろう。
わたしたちは両想い、だった。
今その想いを知れて、うれしくないと言ったら嘘になる。
その好きにたとえ恋愛的な意味が含まれてなかったとしても、好きと言ってもらえるのはどんなプレゼントをもらうよりうれしいものだ。
けれど、わたしはなにも答えられなかった。



