車窓の景色がまた変わっていた。いつの間にか街路樹の道を抜けていて、新しくできた道を走っている。
うん、と相槌を打つのが聞こえ、おれは話を紡いだ。
「最初マネージャーから話がきたとき、断ろうと思ってたんだ。NGとかないけど、ああいう番組だけはやりたくないと思っててさ。なんていうか、リアルを切り売りするっていうのかな」
話を聞いたときの会話はけっこう鮮明に覚えている。
おれを担当してくれているマネージャーは、あれはダメこれはやめたほうがいい、をちゃんと伝え、その分、おれの意見もしっかり聞き入れてくれる人だったから、そのときも「やりたくなきゃやらなくてもいい」と言ってくれた。
ただ、やる意味はある仕事だと思う、とも言われて。
『なんか受かる気満々ですけど、応募して受かるとはかぎらないですよね』
『僕が番組のプロデューサーだったら選ぶけどね』
と、激励の言葉をくれた。
マネージャーは仕事を受けてほしかったんだと思う。
それでもおれは自分で考えて、やりたくない方向に心のシーソーが傾いていた。



