車窓の景色がわずかに変わった気がしたのは、黄金の樹木に彩られた街路に入ったからだろうか。
秋の街路樹を収めようとスマホを掲げている人がいて、おれは意識的に視線を車内に戻した。
「ずっと気になってたんだけど」
絢音がつぶやいたのは、そんなときだった。
なに? と、振り返る。
「僕好きってどうなったの?」
「配信停止になったよ」
「あ、ごめん。言葉足らずだった」
と、申し訳なさそうにうつむく絢音。
「もう撮影は終わってたんだよね。その……恭くんは、最終的にだれかと付き合ったりしたのかなって」
言いづらそうに、かといって、言わないという選択肢ははじめから持っていないように言葉を紡いだ。
当然の問いだとは思う。
なんなら、今までなんで訊いてこなかったのかふしぎなくらいだ。
どうして今というタイミングなのか。
どうしてそんなことが気になるのか。
おれを一瞥した目はすぐにうつむいてしまったので、なにを思って尋ねたのかは真意をはかりかねた。



