涼花は頭に血がのぼりやすいところもあるけど、ふつうにしていれば、男らしいと女子から人気を集める評判どおりの男だ。
そこに絢音が加わることで、涼花は鬼になる。
──天邪鬼、という名の鬼に。
素直じゃない涼花は絢音の気を引こうといじわるばかりして、絢音もいちいち本気にしなきゃいいのに毎度涼花に惑わされて、なんでもかんでも素直に受けとって泣かされて。
かといって、涼花を恨むことは決してない。
きっと自分に悪いところがあるんだと、涼花に好かれようと努力する。
嫌いになればいいのに、と思ってしまう自分が黒く見えてしまうくらいにまっしろだった。
絢音は天真爛漫でかわいい天使。
だから、恋愛対象ではなく保護対象だった。
それが恋愛対象に変化したのは、中一の頃。
多感になる時期でもおれたち三人の関係は変わらなかったのに、まわりの変化に巻きこまれて、その頃、絢音と涼花が付き合っているといううわさが流れたのだ。



