「すげぇひさしぶりじゃん。オレのことわかる?」
「えっ、と…………ごめんなさい」
なんとか思い出そうとしたけれど、やっぱり名前も顔もわからなかった。
「だよね。オレ、涼花の友達の雅。……あ、席一緒してもいい?」
まるで旧友のような距離の詰め方で椅子を引く彼に、つい「あ、はい」と答えていた。
隣の席と合体させて四人席になる。わたしの向かいには雅さんが座って、雅さんの隣に真珠さんが座った。
どうしてこうなったのかは……まあ、やることなかったし、いいんだけど。
「なにか買ってきますか?」
手始めにわたしから口火を切ったら、ふたりは顔を見合わせた。
「オレがなんか買ってこようか」
「は? 真珠を泥棒猫とふたりにする気?」
「なら、真珠がオレの分まで買ってきてくれる?」
「やだ」
「……わたしが買ってきましょうか?」
誘導されたっていい。この際、わがままな真珠さんの術中にハマっていたとしても、不毛な会話を止められるならいいやと、わたしがそう提案すれば、真珠さんは「あ、そうして」とあっさり案に乗っかった。



