ふたりが双子である理由


今さら後悔したところでもう遅いんだけど……お店に入るまえに気づいておくんだった。

そしたら、ふらりと立ち寄ったりしなかったのに。


お茶を飲みながら勉強でもしようと思ったけど、気がそがれちゃったな。とりあえず、ほうじ茶ラテを飲んで……。ああ、こんなときでもおいしい。


あのときは音楽で気を紛らわせた。今回もそうしよう、と向かいの椅子に置いたリュックを取ろうと手を伸ばしたとき、ちょうどそばを通った男女のカップルと目が合った。


「あっ……」

「げっ」


あ、と声を漏らしたのはわたしで、げ、とこぼしたのは彼女。彼氏がわたしの顔を見て、ん?という顔をする。


「あれぇだれだっけ? なんか見たことある気するんだけど」


わたしも見たことある。というか、名前も知っている。

けどそれは、彼女のほうで、見たことあると言ってくる彼氏に見覚えはない。


「すーかを奪った泥棒猫だよ」

「泥棒?……ああ! 涼花の幼なじみの、えっと……綾音ちゃんだ!」