いつか、この人がいればなんでもおもしろくなるって言われる役者になりたい──。
それが、小さい頃から人の幸せそうな笑顔を見るのが好きだった恭くんの夢。
映画の試写会で演技の世界に惹かれ、演技で人を笑顔にしたいという恭くんの夢をわたしは近くで応援してきた。
同い年なのに揺るぎない絶対を持っている恭くんがわたしにはまぶしくて、たまに自分が小さく見えることもあったけれど、彼を追いかけることがわたしの夢になった。
恭くんの夢を守りたい。
恭くんの夢はわたしが守る。
「涼くんは涼くんの思うとおりに生きたらいいと思う。けど、人に迷惑かけても平気な生き方はしないで」



