ずっと一緒にいた幼なじみが芸能人になったわたしは、一般的な恭くんのファンとは、おそらく感じ方が違うんだと思う。
簡単には手の届かない別世界の人間だと思うことはあるけれど、どこかそう思いきれない部分もあって、手放しにファンを名乗る恥じらいみたいなものがあった。
ファンであるのに、幼なじみの女の子としても存在していたい。そんなわがままな自覚を身にまとっていた。
けれど、舞台に立って、たくさんの人から歓声を浴びる恭くんを見て、あらためて好きだなって思った。
わたしはキラキラしてる恭くんが好き。
自分が特別な存在になれなくてもいい。
声の届かないファンの端くれでもいい。
それでも応援するし、嫌な声が上がったら見えないところで静かに戦う。気づかなくていい。空気でいい。
わたしとは、そういう存在なんだ。



