ごめん聞こえなかった、と謝って、もう一度言ってもらうようお願いしたら、恭くんは顔を前に向けたまま──。
「おれ、悔しかったんだよね」
そうつぶやいた。
「仕事を奪われるのがさ、悔しかった」
「そう、だよね……」
うわ、なんてありきたりな反応しかできないんだろう。
言葉にされなくてもわかっていたはずなのに、実際に恭くんの口から聞くと澱が底に沈むように重く感じられた。
「自業自得ならしょうがないかって思えるけど、自分はなんもしてないのに連帯責任をとらされて、言い方悪いかもだけど、足を引っ張られる感覚かな。それがむかついて……」
“連帯責任”──その言葉がわたしのなかでしっくりきた。
今回の騒動の終息は、ひと言で表すならそれだ。
でも、自ら共に責任を負うならまだしも、他人から一緒に責任を負えと強制されるのとでは、受けとり方がまったくと言っていいくらい違ってくる。
前者なら運命共同体で、後者なら道連れ。



