「無視したってことは、根も葉もないうわさってこと? 書き方的に、その場にいた人からの情報提供みたいだったから、提供者の嘘の可能性もあるよね?」
それとなく確認をとってみる。
あの記事は真実なんですか?って。
……けど。
「訊きたかったことってそれ?」
それとなくはいかなくて、くすりと笑われてしまった。
「それもある」
主題は別にあるけど、まずはうわさの真相を知っているなら知りたい。読者に結末をゆだねる終わり方だったとて、作者の意見も聞いてみたいと思うのはふつうでしょう?
それが前のめりになってしまった原因で、恭くんに笑われるのもむりはなかった。
恭くんは深く座り直してから、ためらう時間を作った。
「まあ同情の余地ないし、話してもいいんだけど……」
「……うん」
「無視したのは、その逆だよ。書いてあることが全部本当だったから、怖くなって無視したんだって」
言いにくそうに声量をしぼりながら恭くんが口にした真相は、わたしの心をざらりとなでた。



