一度気になりだすと、平常な恭くんの態度のすべてが違和感に思えて、本当はこうして話す余裕すらないのではないかと勘ぐってしまいそうになる。
ごめんの言葉がのどまで出かかって、わたしはうなずきを返すことで飲みこんだ。
「とりあえず座りなよ」
「あ、うん。そうだね……」
促されて、ラグの上に正座する。
涼くんは部屋の隅っこ、フローリングにあぐらをかいた。
「昨日の記事見た?」
話の口火を切ったのは恭くん。それは友達同士の輪に話題を提供するような言い方で、ちょっとあっけにとられてしまった。
「見たよ。びっくりした」
「びっくり?」
「僕好きの出演者って書き方だったから、てっきり……」
「おれかもしれないって思ったわけね」
ほんとあの書き方はずるい。
興味がなくても、だれだろうと気になってうっかりURLを踏んでしまう罠だ。
「信用ないね、おれ」
「恭くんなわけないってわかってるよ。でも、火のないところに煙を立たされる世界だから……」



