ふたりが双子である理由


答えると、恭くんは笑みを見せて自室に招きいれてくれた。


その笑みも、いつもどおりのさわやか、かつ、おだやかなものだったから、もしかしたら恭くんにとってはなんてことないのかも……なんてのんきに思ったけれど。

どうにも既読無視が引っかかる。


「変わんねーな」


涼くんがぼそりとつぶやいた。

見回すと、昔から整理整頓された部屋が映る。ふと、デスクの上に出しっぱなしの台本らしきものに目がいった。


『よくこんな長いセリフを覚えられるよね』

『覚えるときは、そのことだけに集中するようにしてるから』


恭くんのセリフ覚えの早さに感心するわたしに、恭くんがそう答えたことがある。

だから、その間はスマホも本も開かないし、現場の時期が被っていてもほかの台本は目の届かないところに置いておく、と。


なのに、デスクに散乱しているのは、一冊どころではない三冊の台本。

……なんてことないわけがないんだ。



「話ってのは、僕好きのことかな?」


恭くんが学習椅子に座りつつ言う。