*
翌日も休みでよかったと思う。
「恭花のとこ行くの?」
朝ご飯を食べて、身支度をして。家を出ようとしたわたしを、涼くんのその言葉が呼びとめた。
「うん」
「俺が行くなって言っても?」
「……うん」
「なら」
と、立ちあがった涼くん。
「俺も行く」
そう言われて初めて、最初から涼くんも誘えばよかったと後悔。恭くんのことが心配だけど、だからといって涼くんの気持ちを蔑ろにしていい理由にはならない。
「ごめん……」とつぶやくように謝れば、涼くんはなにも言わず、通りすがりに肩に手を置いてきた。
ごめん。本当にごめんね、涼くん。
頭がこんがらがって冷静さを見失っていたけど、ちゃんと涼くんのことも考える。
そう心に誓って、わたしたちは隣の家に直行した。
「綾音ちゃん。朝早くからどうしたの?」
チャイムを鳴らすと、恭くんのお義母さんが出てきた。
一緒にいる涼くんを見て一瞬だけ驚いた顔をしたけれど、目を合わせようとはしなくて、それは涼くんも同じだった。



