違うよ。やっぱり涼くんは、ほかの男子とは違う。
涼くんだから嫉妬したんだよ、わたしは。
だから、自分がまだその他大勢のなかにいると思わないでほしい。
弱気な涼くんを途端に愛おしく思ったわたしは、キスの最中、本能のおもむくままに涼くんの首に手を回した。抱きしめたくなったのかもしれない。
──それが、涼くんの動きを止めた。
「今日はここまで」
唇が離れて、倒れこむようにわたしの肩に顔をうずめてきた。
「え? どうしたの?」
「俺の身が持たない」
シャツを隔てているのに、涼くんの熱が肩に伝わってくる。
そんな涼くんが、愛おしくて愛おしくて仕方なかった。
圧倒的に経験値はそっちのが高いはずなのに、なんでかわたしのほうが余裕で、愛でたくなってしまう。
手放したくないって。ずっとそばに置いておきたいって。歯止めをかけられなくなるこの感覚は、なんなんだろうね。
たぶんだけど、確実に、わたしのなかで“愛”が育まれている気がするんだ。
予定していた片づけをひと通り終えたのは、夕方。まっすぐ家に帰れば夕飯にちょうどいいという時刻だ。



