一方で、少年漫画とは名ばかりの過激な内容だったために、物議を醸したことでも有名だった。
持っているのが悪とは言わないけど、ふつうに家に置いてあって、それを女子に見られても平気な顔ができるってどうなの? 言ってしまえば、エロ本と変わらないよそれ。
気まずそうな顔をされてもそれはそれで困るけど、ちょっとくらい動揺が見られてもいいのに……。
なにか釈然としなくて、無意識に頬をふくらませていた。
そんなわたしの、猜疑心にも似た視線を感じとったのか、涼くんが顔を上げる。
「なんだよ」
「べつにー」
と、答えながらも、顔の向きは別方向へ。
すると、涼くんが鼻の先で一笑したのが耳に届いた。
「いま嗤ったでしょ」
視線を戻すと、意味深ににやつく涼くんが。
「べつに。かわいーなと思っただけだけど?」
「あ、絶対バカにしてる!」
そう指摘したら、涼くんは意味ありげに笑みを浮かべたまま漫画を床に置いて、じりりとにじみ寄ってきた。
「絢音は、こういうのにも嫉妬しちゃうんだなーって」



