『……ファーストキスのおまじない。初めてのキスの時にお願いごとをしながらシたら、叶うんだって!だから私のファーストキスを遊佐くんに捧げました!なぜなら、遊佐くんに悪夢を見て欲しくなかったからっ!!』
はい…ごめんなさい、全部嘘です。今思いついた精一杯の嘘です。ありがちなおまじない…みたいなことを言いましたが、そんなものは聞いたことがありません。全部…嘘です。
「……そんな大事なもの、俺がもらっちゃって良かったの?」
『い、いいんだよっ…!遊佐くんには悪夢を見ることが無くなるというメリットがあるし、私は好きな人とファーストキスが出来たという最高の思い出がっ、』
「最高の思い出…なら、もっといいモノにしないと」
『………え?それって、どういうっ』
「目、閉じて考えてみて?」
目を閉じたところで分かるとは思えないのだが?っと疑いつつも…そっと目を閉じてファーストキスについて考えてみようと思った瞬間
唇に、温かいモノが触れて─…思わず目を開くと…超至近距離に遊佐くんの美しい顔面がボヤけて見えた
「─…目、開けちゃダメでしょ」
なんて言って、私から離れた遊佐サマ。いや…ちょっとこれはもうっ…ダメだ…ダメなやつだ
『っど、どどどどどどうしよう…遊佐くんには彼女が居るのにっ、遊佐くんには絵莉さんが』
「それ、重要?俺、彼女とはこーいうことシないよ?それ分かった上で付き合ってるから…文句言う権利なんてアイツらにはねぇの」
じゃあ、なんでっ…?わたし、期待しちゃうけどいいの?
「─…蓮水さんは、特別枠だから」
やっぱり…分かんないよ遊佐くん。
遊佐くんの考えてることは全然、分からない



