「──…蓮水さんの方が可愛いよ」
でしょうね、どうせ私は遊佐くんの想い人である"蓮水さん"の足元にも及びませんよっ!
「あー…いや、そうじゃなくて。仁菜ちゃんの方が可愛いって意味」
───ん?仁菜ちゃん?にいなチャン?
『っえ…に、仁菜って…わたしっ、』
「あぁ…うん、俺の好きな蓮水さんは可愛いって感じでは無いからね。カッコいいっていうかクールっていうか…まぁそっち系統。可愛い路線ではない…っから、キミの方が可愛いという点では上をいってるね」
───マジか?!
っえ、私…好きな人に"可愛い"って連呼された。もういい、それだけで幸せ。満足!!!
『ありがとうございます、嬉しいです』
手渡されたノートを手に取り立ち上がって…それでも尚、私より余裕で背の高い彼を見上げて全力で微笑んだ
──嬉しかった
好きな人に可愛いなんて言って貰えて、嬉しかったんだ



