「……出発するけど、今日はいいの?」
まだ見ぬ蓮水さんとの対面にド緊張で一点を見つめたまま動けなくなっていた私に遊佐くんが声を掛けてくれる
『いいって…何が?』
「俺に抱き着いてもいい、唯一の時間だけど」
その言葉を聞いてハッと我に返って…遊佐くんにギュッと抱きついた、、いや、ちょっと待て
「うん、バイク乗ってからね?一旦離れようか?」
───ですよね
バイクに乗る前に棒立ちのまま遊佐くんにギュッとしがみついてしまった私。…何やってんだ
遊佐くんが軽々と私を持ち上げてバイクの後ろに乗せてくれたので…その後すぐに私の前の座席に座った彼の背中にゴツンと頭をぶつける
「……ん?どーした?」
『いや、ちょっと何か恥ずかしくて、、』
「あー…ね、ただ可愛かったとしか思ってないから別に気にしなくていーよ。」
タダカワイカッタ、、?
──ただ、可愛かっただとっ?!!!
「じゃ、行くよ」
遊佐くんがエンジンを掛けたので慌てて背中にギュッと飛びつく。
心臓がバクバクとうるさく暴れる。遊佐くんは今日も掴めない。



