九条さんが退場して行ったあと、遊佐くんは小さくため息をついた。
「あの人、前の総長の九条 旺司って人なんだけど─…知らないよな?」
………知るわけないよな?
「マジでレベチなほどぶっ飛んでる、頭おかしい人だけど。すげーいい人なんだよな」
レベル違いなぶっ飛んでいる頭のおかしい人が何をすれば"すげーいい人"というポジにつけるのだろうか?
遊佐くんの中のいい人の定義とは?
「今日の集会、前の総長達も見に来てたから…俺が途中で抜け出したから追いかけてきたんだろうね、心配性だから…あの人。」
『………いい人、だね』
「だろ?すげー好き」
ドクンって、私が言われたわけじゃないのに遊佐くんの口から飛び出した"好き"というワードに心臓が飛び跳ねた。
「でも、蓮水さんはもう会わなくていーよ」
ヨシヨシ…って、私の髪を撫でながら九条さんには会わなくていいと言った遊佐くん。
「あの人には俺、勝てないだろーし…蓮水さんに九条さんを好きになられると困るから。だからもう会わなくていい─…分かった?」
『はい、もちろん二度と会う予定なんてないです』
「ん…じゃあ帰ろうか、送るよ」
遊佐くんが乗ってきたバイクの元まで二人で歩いて向かったのですが、、
『あ…この前とバイク違うね?』
「前のは羽月のだったからね、これは俺のバイク。後ろ…シートつけてないから背もたれがなくて乗り心地悪いかもだけどっ、」
『全然っ!!っていうか、前のより遊佐くんのバイクの方がカッコイイね!!こっちの方が遊佐くんっぽくて好き!ちょっと見てみてもいい?』
前に二人乗りさせてもらったバイクは、Theヤンキーカスタムですっ!みたいなバイクだったのですが─…いま目の前にあるのは普通に"カッコイイ"って思えるオートバイ。
いや、車種とかそーいうのは分かりませんが。
細かいところにまで拘っているのか、ブレーキやハンドル…ミラーの位置など、おそらく初期のものとは違うものを使用してるんだろうな…って素人目で見ながら関心していると、、



