絵莉さんは、不満げそうな顔をしながらも遊佐くんに言われた通りに屋上を出ていってしまった
「─…これでいい?」
改めて、私に追加のパンを手渡してくる遊佐くん。……いや、良くはないよね?
『彼女、いいのかなっ…私のせいで、』
「何で?俺がアイツと一緒にいるところ、見たくないんだろ?じゃあアイツ、追い出すしかねぇじゃん」
『だから…なんでっ、』
「何でっ…て、俺が蓮水さんと一緒にメシ食いたいから。それ以外に理由…要る?」
当たり前のようにそう言ってのけた遊佐くんに、もう何も言い返すことなんて出来ない。
遊佐くんの考えていることは…やっぱり私には分からない。考えても無駄だ。辞めよう。
遊佐くんに手渡されたパンを中身を確認することなく開封し、『いただきます』っと言ってから口に押し込む。…が、それはどうやら"あんパン"だったみたいで─…
『ん゙ん゙っ!!!!!』
私は隣に居る遊佐くんの腕を思わず掴んでしまった。─…これ以上はヤバイっ!早く吐き出さないと遊佐くんに多大なるご迷惑をおかけする事になるっ!!
「え…なに、蓮水さん大胆っ、」
遊佐くんの近くに落ちていたコンビニ袋を拾い上げ、中身を全て取り出してから─…彼に背を向けて口の中に入っていたあんパンを全て吐き出す
「………蓮水さん?どーしたのっ、」
後ろから声を掛けてくれた遊佐くん。そんな彼が手に持っていたジャスミン茶を黙って奪い取り…それをゴクゴクと飲み干した。



