「やっぱバカだね、蓮水さんって。」
うん…バカでもいいかも。遊佐くんが笑ってくれるなら─…っていうか!!
『ゆ、ゆゆゆ遊佐くんっ!』
「うん─…遊佐ね?」
『遊佐くんっ…先程は助けていただき、ありがとうございました』
そうだ、お礼の言葉も言わずに何を偉そうにっ文句だけ語って、、最低かよ私っ!!
「何が?俺はただ、忘れ物を取りに来ただけ」
っあ…そう言えばさっきもそんなこと言ってたな。忘れ物ってなんだろう?私が屋上を出た時は何も落ちてなかったと思うんだけど。
遊佐くんは屋上へは行かず、なぜか私の目の前まで階段を降りて来て─…何を血迷ったのか私の頭の上にポンポンっと手を乗せた
「─…忘れ物、取りに戻ったけど。上から降ってきたから取りに行く手間がはぶけた」
───忘れ物…って、私?!!
「俺の彼女が屋上に向かった…って、チーム…あー…トモダチの一人が連絡くれて。蓮水さんがまだ残ってたらマズいなぁ…っと思って、忘れ物…回収にきた」
"忘れ物"と言って私の頭をポンポンと優しく叩く遊佐くんに、心臓がドキドキ暴れまくって息が苦しい
「また俺の彼女に何かされたら言って?今度は"やり過ぎない程度に"懲らしめてやるから」
私のお願いを聞いてくれたと思われる遊佐くんの発言に、胸がキュンと高鳴る。
酷いことを言うようだけど…早く、別れてくれればいいなぁって思う。そしたら私が彼女になれるチャンスも…回ってくるかな、、なんて。



