#遊佐くんの攻略法が知りたい【完】



手をついて、尻もちをついた須藤さん。その瞳には涙をたくさん溜めて─…



「ごめんなさいっ─…もうしない、、」


「──消えろよ、目障り」



遊佐くんに冷たくあしらわれた彼女は、私の横を走って通り過ぎて…去っていってしまった。



冷たくて最低な彼氏─…そんなふうに思うけど、これは今に始まったことではない。遊佐京志郎は告白されれば誰とでも付き合う。来る者拒まず去るもの追わずな人たらし。




それでもいい…っと、割り切ってみんな付き合っているし、彼が冷たくて冷酷なことは有名な話だ。




───だけど、、



『遊佐くん、さっきのはやり過ぎだと思う』



別に、正義感を持ってこんなことを言っている訳じゃない。彼を更生させたくて言ったつもりもない。


ただ─…怖かった。あんな遊佐くんを見たくなかった。それだけの話し。




「──は?なに、説教?」

『……ううん、お願い。』

「願い?」




だって好きな人には、怖い顔じゃなくて…笑顔でいて欲しいから。



『笑ってる遊佐くんの方が─…好き』



……って、何どさくさに紛れて告ってんだ私!




「……は?」

『……っえ?!!』



勝手に口から零れ出た"好き"という言葉に自分も一緒に驚いていると、遊佐くんが…笑った