「…ほらね、俺…間違ってないってさ」
遊佐くんは地面に落ちていた私の財布を手に取ると、再びそれを私の頭の上に乗せた
「蓮水さん─…俺の事好きなんでしょ?じゃあいいじゃん。これからも一緒に飯食おうよ」
………流された。
完全に、流された。
まぁ…遊佐くんが良いって言うなら…それでいいかな?っとか思ってしまうんですけど良くはないよね。
やっぱり、彼女が居る人とこういうことをするのは…なんていうか私には、、荷が重い。
「──お茶、飲む?」
はいっ…っと、手渡された"ジャスミン茶"を有難く頂戴してゴクリと一口飲んでから気付いた。
『っこ、これ…遊佐くんのっ!!!?』
「ん?あぁ、そうだけど」
なんだって??!ペットボトルの回し飲みが許されるのは友達までなのだよっ!(仁菜の中で)
『っか、かかかかかか間接っ、』
「………関節?」
『いや、違くてっ…間接キッ、、』
バンッ…っと、屋上の扉が開かれたことにより私の口から"間接キス"というワードが飛び出すことは阻止された
「──…総長っ!!!」
一人の男子生徒が息を切らして"総長"という単語を大声で叫んだ。多くの人の上に立って、まとめ治める人のことを"長《おさ》"と呼ぶことは知っている。
私も小学生の時、集団登下校のグループの"班長"に任命されたことがある。黄色い旗を持って数名の年下達を引き連れて登下校していたのは懐かしい思い出ではある。
──…しかし、
この場合の"長"、、"総長"という言葉が意味するものはおそらく…黄色い旗を持って登下校していた班長の私とは次元が違う、、もっと恐ろしくて…一般人の私なんかが聞いてはいけないような、そんな内容な気がするのですがっ



