#遊佐くんの攻略法が知りたい【完】



「ご…ごめんっ─…」

「は?なんて?聞こえねーんだけど」

「ごめんっ…なさい、」



怯えたように謝罪を口にした須藤さん。遊佐くんは掴んでいた手を雑に離すと、彼女に背を向けて再びこちらに戻ってくる



逃げるように屋上を去っていった彼女を目で追っていた私の隣に再び腰を下ろした遊佐サマは




「……あれ?、、全部食ったの?」



私の口元にも、手の中にもジャムパンが残っていないことに気付いたのか…不思議そうな顔をして、、



「蓮水さんって大食い?…明日は多めに用意するか」



って─…っえ?聞き間違い?明日って、聞こえたような気がするんですけど。



「食いもん、残さずに食べる女って…可愛い」



食べ物を残さずに食べる女の子って…っえ、私の事?!待って、いま可愛いって聞こえたんだけどっ…っえ…可愛いって、、!!




「飯、連れてって残されたりしたら萎える。サラダチキンとか食ってるような女、嫌いなんだよ。あー…早くあの女、別れてくんねぇかな」




その後すぐに予鈴が鳴って昼休みの終わりが近付いていることをつげる





「また明日─…屋上で待ってる」



ポンポンって、私の頭に手を乗せてから遊佐くんが立ち上がると…今まで大人しくしていた周りの不良たちもゾロゾロと立ち上がって屋上を出ていく




完全に何らかの罪で裁かれると思っていた私は、無傷で…むしろ遊佐くんが口をつけた尊いジャムパンを食すことが許されるという、、神様もビックリ仰天の出来事が起こってしまった




『……この後、死ぬのか?』



全ての運を使い果たしてしまったのでは?っと思ってしまうほどの出来事に…未だ心臓がバクバクとうるさく音を立てている





─…明日は、



少し早起きして、髪を巻いたりしてみようかな