『あ…あの、私帰ります。すみません遊佐くんのことを幸せにしてあげてください。ずっとずっと遊佐くんは蓮水さんのことが大好きだって言ってました。多分本当に大好きなんだと思います、大切にしてあげてください。同じ蓮水として言わせてもらいます。では末永くお幸せに、さようなら』
グッバイ、私の初恋─…
色んな意味で撃沈したけど、もはやこれは伝説に残るレベルの失恋談だ。帰って由加里に聞いてもらおう、そして笑い飛ばしてもらおう…いやダメだな。こんなデリケートな話を他言するなんて…それこそ人として終わる。
潔く身を引け仁菜、相手はイケメン美男子だぞ?勝てるわけねぇだろ、蓮水仁菜!!マジで同じなのは苗字だけだった!似てるところなんて1ミリも無かったぁあぁあ
「はい、ストップ─…実際に会えばさすがに気付くと思ったのに…ここまで鈍感だとこの先の仁菜の人生が心配になってくるんだけど…もう今すぐ俺と一緒に住まない?」
立ち去ろうとした私のことを後ろから抱き締めてきた遊佐くん。その行動に混乱してしまい…どうすればいいのか分からない。
「俺が好きなのは蓮水さんだけど、蓮水さんじゃない。仁菜だよ?俺は蓮水 仁菜のことが好きなんだ」
………え?なんて?いまなんて言った?
『あの、よく分からなかったので…もう一度お願いしてもいいですか?』
「だから、俺が好きなのは蓮水さんじゃない。仁菜だって。仁菜のことが好きなんだよ俺は」
好きなのは蓮水さんじゃない。
俺は…仁菜のことが、好き─…?
『っえ、どっち?!私のこと…好きなの?好きじゃないの?!蓮水さんって私のこと?いや…仁菜って私…?分かんないよ、遊佐くんっ』
ホントに…?遊佐くんが好きなのはこのイケメン美男子の蓮水さんじゃなくて、何も無いド平凡普通女子の私だって…そう言いたいの?



