「そんなさぁ…可愛いこと言うの、辞めてよ」
私のことをバイクのシートに乗せてくれた遊佐くん。ヘルメットを手渡しながら…片手で私の頭を撫でてくれる
「これから何処へでも連れてってやるよ、俺が…仁菜の行きたいところ全部…何処へでも連れてってやる」
………なんで、私?
「……前髪、今日はハネてないんだ?俺が仁菜に触れる口実が無くなるからさぁ…明日からはまた前髪ハネさせて来てよ?」
って…ちょっと待て!!あの前髪ナデナデの時間は意図的?!私に触れるための、口実だと?!いやいやいやいや、何のために?!
遊佐くんにならいくらでも、どこでも、お触りしていただいて大丈夫なのですが?!!
「ん、じゃあ行こうか?」
ハッと我に返り、前に座った遊佐くんの背中にピタッと身体を密着させる。この瞬間…遊佐くんは私だけのものになるから─…幸せ。
遊佐くんのバイクの音が好き。遊佐くんの運転は乱暴じゃないから怖くないし…落ち着く。このまま時間が止まって欲しい。私だけの遊佐くんになればいいのに…独り占めしたいよ。



