遊佐くんは最近学校に来ていないみたいで─…学校の外に本命の彼女が出来た…とか。
中学の時の友達と仲直りして、別の高校に転校するらしい…みたいな、そんな信ぴょう性の高い噂が回ってきた時はついうっかり信じそうになったけど、、
それでも心を無にして、"これは噂、遊佐くんの言葉以外はすべて偽り"っと自分に言い聞かせて毎日を過ごした。
「仁菜〜…おはよ!って、なんか今日雰囲気違くない…?っあ…前髪だ!前髪がハネてない」
『まぁ…そろそろいいかなーと』
「なに、遂に遊佐くん卒業ですか…?いいと思うよ、頑張ったよ仁菜は。忘れようあんなよく分からない中途半端ないい男」
『いや?卒業するとは言ってない!ただ待ってるだけじゃなくて、急がないと知らないよ〜…って追い打ちをかける意味での…これ!』
「あー…ごめん、全然分かんない」
別にいいんだ、理解されなくてもいい。これはただの自己満足みたいなものだから。遊佐くんに触れてもらえないのに前髪をハネさせておく必要がないってだけ。
それは同時に遊佐くんと私の繋がりみたいなものを消すような…そんな意味を持つことを、知っているのは私と遊佐くんだけでいい。



