「でもね、遊佐くんってほんと最低だから。蓮水さん以外の女の子のことなんてほんと…どーでもいいんだよあの人。」
遊佐くんに保健室で思い切り身体を突き飛ばされた絵莉さんは、もう付き合ってられないと思ったらしい。
「勝手に遊佐くんと別れたことを日向くんはよく思ってなかったけど、私が一番好きで大事なのは日向くんだから。」
徐々に明らかになる…私の知らなかった裏事情
絡み合った糸が解けるのはきっと、もう時間の問題だよね?
「私が言わなくても、日向くんの耳に蓮水さんのことが入ってたのは…学校の外でも遊佐くんが蓮水さんと会うようになったから。そんなことしてたら普通に知られるでしょ…蓮水さんの存在」
『──…え、』
「つまり、遊佐くんも人並みに…人生を楽しもうと思い始めたんだよ」
……どういうこと?
「多分みんな、あの日で時が止まってるんだと思う。蓮水さんと遊佐くんがどうやって出会ったのか知らないけど。誰にも動かせなかった遊佐くんの気持ちを動かしたのは間違いなく─…蓮水さんだってこと。これだけは言える」
それは─…どの、蓮水さん?
「………蓮水さん?」
『わ…たしはっ、』
違う、私は遊佐くんの特別なんかじゃない。
『私じゃ、ないよ。遊佐くんを変えたのが蓮水さんだっていうならそれはっ、』
それは多分、私のことじゃない。そうだ、だって遊佐くんには好きな人がいる…そういう話だった。私は遊佐くんの好きな蓮水さんと苗字が一緒だから、だから─…
"蓮水さん"ってカテゴリーに入れて貰えただけのただのラッキー人間。苗字が山田とか村上とかだったらきっと…相手にもされていない



