ゴクリ…っと、生唾を飲み込んだのは私だけではないと思う。事実、先程の静寂から未だ誰一人として口を開いていない。
それはつまり、私と遊佐くんの謎のやり取りをたくさんのギャラリーたちが傍観しているということになる
───…恥ずかしいっ!!!
「いや、顔…真っ赤だけど。なんで?」
なんでって…そんなこと、こんな所で言えるわけないっ!!好きな人に"あーん"なんて言われて照れない人が居るなら会ってみたいっ!
「──変な女、蓮水さんって変わってる」
変わってる…って、それはどういう意味?いい意味?悪い意味?
『あのっ、遊佐くっ、、んんむっ?!』
遊佐くんに意味を尋ねようと口を開いた時、目の前のジャムパンが口に押し込まれて私の言葉が続くことは無かった。
「なに、美味しいって?なら良かった…」
そう言って、口角を上げて笑った彼を見て…私の心臓はこれまでで1番の心拍数値をたたき出す
──ドSですか…?
いや、全然違和感とかは無いんですけど…それを向けられる対象がなぜ私なのかがとっても気になるのですが、、



