「俺と麻斗、勇牙と日向の関係って複雑でさぁ…ちょっと…いや割と面倒なんだよね。その面倒な争いごとに蓮水さんを巻き込むのは避けたいと思ってたし、そんなことにはならないように尽くしてたつもりだったけど─…」
遊佐くんは悲しそうに顔を歪めると、私の頬に指を滑らせる
「なんで、バレたんだろうね?」
って…まるで、壊れ物に触れているかのように優しい手つきで私の頬を撫でる遊佐くん
「……仁菜?俺以外の男の後ろを着いて歩くなんて、二度としないで。危ないとか、そーいうのは大前提だけどそれ以前にまず─…俺が嫌だから。だから変なやつに絡まれたり俺の友達だとかいうやつが現れても…全部、無視して」
『……遊佐くん、ごめんなさい』
「何もしなくていいんだよ。仁菜は俺に守られていればいーんだからさ…一人で危ないことしようとか考えないで」
『うん…分かった』
「本当に分かってる?信用出来ねぇな、仁菜はすぐに俺との約束を破る悪い子だからね」
早く…仲直り出来るといいね。なんて口には出さないけど、きっと伝わってると思う。
「……終わらせてくる。ちゃんと終わらせて…仁菜に伝えたいことがあるから」
伝えたいことってなに?っとは聞けないけど、私に出来ることはただひとつ、遊佐くんを信じて待つことだけだよ。
『待ってるね、遊佐くんが迎えに来てくれるまで…いつまでも待ってる』
なんとなく、長く続いた遊佐くんとの謎の"蓮水さん"期間がいま…この時を持って終了するような気がした。
だって遊佐くんが…とても悲しそうな顔をして私のことを見ているから─…言われなくても分かるんだ。



