取り乱した様子の絵莉さんが、ひたすらに私に"帰れ"と言ってくる意味を理解出来ず…何だか逆に心配になってきて、彼女に歩み寄ろうとした時、、
すぐ隣に一台のバイクが停車した
「絵莉、お前…待ってって言ってんのに…」
「日向《ひゅうが》…くんっ、」
日向…と呼ばれた同年代くらいの男の子は、絵莉さんのすぐ側で立っている私に視線を寄越すと、一瞬目を見開いて、、
「──…お前、蓮水 仁菜?」
っと、私の名前をフルネームで述べた彼に脳内が危険信号を送ってきたので、慌てて否定しようとすると、、
「ち、違うよっ!私の友達っ!塾帰りだったみたいでたまたま会ってさぁ…お母さんのお迎え待ってるんだって、」
「……絵莉さぁ、知らねぇと思ってんの?お前この女に"遊佐に近づくな"とかなんとか言って脅してたんだって?」
「……なんっで、」
「許可もなく勝手に遊佐と別れてるし。今更良い奴になろうなんて、無理に決まってんだろ」
日向と呼ばれた男は、絵莉さんの髪の毛を鷲掴みにし…力強く左右に揺さぶる
「お前のせいで計画崩れまくってんの、分かってる?遊佐の彼女になって、アイツがチーム意外に大事にしてるもん探って来いって言ったのに、何の情報も持ち帰って来ねぇし…むしろ"蓮水仁菜"の存在、黙ってるし?」
「……蓮水さんは、関係ないでしょ?もう辞めようよ、こんなことしても勇牙《ゆうが》は、」
「今更、引けるわけねぇだろ。俺はずっと止まってる…勇牙が居なくなったあの日から。ずっと、ずっと…遊佐と麻斗が憎くて仕方ないっ」
遊佐くん─…麻斗くん、、勇牙くん。
きっと私なんかには理解出来ないような悲しい物語が彼らの中にはあるんだ。



