#遊佐くんの攻略法が知りたい【完】



時間というものは、過ぎて欲しくないときこそ早く過ぎてしまうもので。



─…昼休み、私は屋上へと続く扉の前で一人、その先に進むことが出来ず固まっていた




普通に…怖いっ。ここに来るまでの階段を、処刑台へ続く階段だと思いながら登ってきたほどだ。遊佐くんのことは好きだけど…彼のオトモダチは苦手。




この後自分がどうなるのか、想像をしただけで足が震えて先に進むことが出来ない。




「………入らないの?」



突然、後ろから声が聞こえたことに驚き…他に逃げ場が無いため目の前の扉に手をかけ、勢いよく扉を開いた




「……驚かせてごめんっ、大丈夫?!ってかここに何か用事?」



流されるように屋上に飛び出した私の後から、声の主も屋上に足を踏み入れた模様で。背後から話し掛けられているということは分かるが振り返る勇気がない。




いやだって…目の前の光景が、地獄絵図すぎる




校則違反…っというか、法律違反では?っと思うようなことが当たり前のように繰り広げられている。─…異世界、って。まさにそんな感じ




今まで何も知らずにこの人たちと同じ高校に通っていた自分を心から褒めてあげたい。