食事会だって、言ってたっけ。
そうだ、篠宮は今…志帆さんの家で志帆さんの家族と謎の食事会をしている。そんな場面で私が連絡なんてしたら迷惑でしかないに決まってる。
今日は一緒に帰れないって言われていた。私には"明日"時間をくれるって言ってた。それなのにいま篠宮に連絡するのは…ダメだよね
『あざ…とっ、』
私の腕を掴んでくれると言った麻斗。二度とバカな真似はさせないと言ってくれた。
──…だけど、
『そばにいて欲しい時に、居ないじゃん』
意味ないよ、そんなの。どんなに嬉しい言葉をくれても、一緒にいて欲しい時…他の女の子と居るような人、信用出来ないっ、
横断歩道、赤信号で…目の前の国道は沢山の車が行き交っている。いまここで飛び出せば、今度こそ私は自由になることが出来るのだろうか
一歩、足を前に進めた時…後ろから「っえ…」っと女性の戸惑った声が聞こえた。分かってる間違ったことをしようとしてるなんてことは分かっているけど…自分ではもう、止められないからっ、
グッと唇を噛み締めた瞬間─…
突然目の前に一台、バイクが滑り込むようにして急停車して現れ…あまりの驚きに後ろに手をついて座り込んだしまった
「……やっぱり、見たことある顔だと思った」
バイクに乗ったまま私を見下ろしているその人には…私も見覚えがあった。
『ゆ…さ、くん?』
「あれ?俺の名前覚えてたんだ?アンタ記憶力いいね─…っで?なんで裸足なの?」
バイクから降りて私のすぐ隣でしゃがみ込んだのは、篠宮の"元"友達の─…遊佐くんだった。



