居るはずのない人間の声が聞こえて、閉じていた目を開くと─…いつかと同じように私の隣で横になっている男が一人。
驚いて目の前の男を以前と同様に力いっぱい突き飛ばしたことにより、彼はそのまま下に落下した。が、見事受け身をとって倒れることなく華麗に着地してみせた
「藍ちゃん、相変わらずだね?」
『………誰?』
「いやいや、さすがに無理あるでしょ!」
割とガチで一瞬不審者かと思った。だって篠宮の整った顔が…所々腫れていたり…切れて血が出たりしてるから─…
『……顔、凄いことなってるけど』
「それ、藍ちゃんに言われたくねぇなぁ」
まぁ私もチャリで転んで顔面をケガしてるからな。人のことを言えるような面をしていないだろう。
──…っていうか、
『どうやって入ったの?!面会時間過ぎてるよね?!ってか何でここに居るって分かったの?まさか、ウチに来てお父さんに会った?!』
篠宮がなぜこんな真夜中に私のベッドに忍び込んでいるのか理解できなくて…つい声を張り上げて怒鳴りつけてしまう
「しーっ!!面会時間終わるギリギリに病院着いてさぁ…さっきまで男子トイレで隠れてたんだから!藍ちゃんが大きな声出したらバレちゃう!静かに話そうっ」
この男─…マジか。
「場所が分かったのは…藍ちゃんのスマホに位置情報アプリを忍ばせてたから。っあ…これ藍ちゃんも見れるからね?俺の居場所、常に分かるようになってるから、お互いさまって事で」
……は?なんて?なに?
もう一回、言ってもらっていいですかね?



