ウザくアザとい麻斗くん【完】




【篠宮の人生は篠宮のものだよ】




ふと、藍ちゃんに言われた言葉を思い出した。





──…帰らないと、


帰って、俺は遊佐と話し合わないといけない。そうだ、だって俺は藍ちゃんと約束をしたじゃないか…俺の人生は俺のものだって言ってくれた藍ちゃんは、、前に進むきっかけを作って背中を押してくれていたじゃないか。




志帆の両親が"もういい"と言ってくれるなら─…俺がここに居座る理由なんてない。



『……お父さんは、』


「手を出してしまったことをとても後悔してるみたいで…合わせる顔がない、なんて言って部屋にこもって出てこないの。なんだかんだ、一途に真っ直ぐ志帆の為に尽くしてくれていたあっくんのことを…好きだったみたいで─…夫に代わって謝ります。本当に、申し訳ありませんでした」





別に、志帆の父親に対して怒りのような感情は湧いてこない。大事な娘がケガをして帰ってきたらそりゃあ…怒るのも無理はないだろうなって思うから。俺は自分もまだ子どもでそっち側の気持ちを100理解することなんて出来るとは思っていないが、、10%くらいは"分かる"と言えるような気がする。





だから…志帆の両親のとった行動を非難するつもりなんてない。俺が志帆の傍にいる事でこの二人の気持ちが救われたならそれで…いい。




それでも、俺の為に…俺なんかの為に、泣いてくれた藍ちゃんが居るから。ここでまた流される訳にはいかない。あの日…助けられなかった勇牙のことを俺は…これからも忘れることはきっとないと思う、いや…誓う。だから─…




『……すみませんっ、本当に…申し訳ありませんでした。志帆のことはこれからもずっと、気にかけるようにします。"友達"としてこれからもちゃんと守り続けるって約束します、だから』



「そーいうの、もういい。あっくんウザいよ、いい加減気付いてよ。」




突然部屋に現れた制服姿の志帆。学校を早退でもしたのか…いや、そもそも今って…何時?