『行きは何とかなったんだけど、帰りは無理そう。このチャリ…学校の駐輪場に置かせてもらってもいいかな?明日、取りに来るから』
フラフラと、フラつきながら自転車から降りてそれを蓮水さんに預けようとしたとき、彼女は困ったような笑みを浮かべてから─…
「この前のお礼、させてよ。私がこれで藍ちゃんをお家まで送ります!」
AZカスタムのママチャリに跨った蓮水さん。後ろの荷台に乗れ…っと視線を送ってくる。
『……え、二人乗り出来るの?』
「初めてだけど、何とかなるよっ!」
……この子、アホなんかな?
よく分からないけどやる気に満ち溢れている彼女を無下に扱うのもどうかと思い、おそるおそる荷台に跨った。
「では、しゅっぱーつ!!」
勢いよく漕ぎ出した自転車、思わず前に座る蓮水さんの腰に手を回してしがみついてしまう。
「うわっ、坂道だ!いきなり下り坂っ?!ちょ、待っ…なんでブレーキがこんな位置にあるの?!」
AZカスタムのママチャリ。ハンドルがカマキリのようになっているクソダサチャリンコ。
それを上手く扱うことが出来なかったのか、初めての二人乗りでバランスの取り方が分からなかったのか─…私と蓮水さんは下り坂の坂道の途中で二人して転倒し、AZ仕様のママチャリは数メートル先で見事に大破して終わりを告げた。



