ウザくアザとい麻斗くん【完】



そのまま何も言わず、走り去っていった彼らを見届けて…この後どうやって帰ろうかと頭を抱えた。足が痛い、これ以上漕ぐのは無理だ。



誰の物だか知らないが…勝手に借りてしまったママチャリ。これを遊佐くんの学校の前に放置するのはさすがに不味いよな?っと思いつつ今日一日だけ停めさせてもらおうかな、っという考えが頭をよぎった時、




「……藍ちゃん?」



校舎の方から歩いてきた一人の女子生徒。彼女のことは私も知っていた。遊佐くんの想い人である蓮水さんだ。




「ご、ごめんっ…教室の窓から遊佐くんと藍ちゃんの姿が見えて、思わず、、」



日向ってモブキャラも居たのですが、それは見えていなかったのかな?焦ってこちらに向かってきたのか、蓮水さんは少し息が切れているように見えた




『篠宮が…ちょっと今トラブルに巻き込まれてて、それを助けられるのは遊佐くんしか居ないから…ちょっと遊佐くんをお借りしました』




蓮水さんに頭を下げると、「そんなっ、私は遊佐くんの彼女でもなんでもないので!」っと慌てたような声が降ってきて顔を上げた




「っていうか…自転車でここまできたの…?藍ちゃん、走ったりするの苦手じゃなかった?この前も私が手を引いて走った時、辛そうにしてた」




あんな些細なやり取りを覚えてくれていた彼女に好感を抱く。一度しか会っていないのに、ずっと前から友達だったような…そんな気さえしてくるから不思議。