『あのね、わたし、まっていたの』 ~誰か声をかけてくれないかなって~ 【新編集版】

 給食が終わって昼休みになった。
 
 寒田と黄茂井を見ると、視線が合ってしまった。
 その途端、寒田が拳を握った。
 黄茂井が立ち上がろうとした。
 わたしは逃げようとして腰を浮かした。
 
 その時、三人が教室に入ってきた。
 そして、寒田と黄茂井を取り囲んだ。

「わかっているだろうな」

 朝よりもっと怖い声で睨みつけた。

 寒田と黄茂井は何か言おうとしたが、声は出てこなかった。
 ほんのわずかに顎を下げたと思ったら、慌てて教室から出ていった。

 それで終わりではなかった。
 三人は放課後も来て、寒田と黄茂井を取り囲んだ。
 そして、それが毎日続いた。
 (へび)に睨まれた(かえる)状態になった寒田と黄茂井がわたしにちょっかいを出すことはなくなった。