私が家の最寄り駅に着いたのは21時だった。

お兄ちゃんに連絡しようと思い
携帯を取り出せば

「菜美!!」

…と凄く大きな声で名前を呼ばれ
周りの人が皆びっくりしていた。

「…お兄ちゃん」

それは言うまでもなくお兄ちゃんの声で
きっと私が帰って来るのを既に
待ち構えていたのだろう…。

私の方にズンズン近付いてきたかと思えば

「心配しただろ!!何時だと思ってんだ!!」

兄妹とは思えない程の熱い抱擁をされた。

「…お兄ちゃん、苦しいし恥ずかしい、」

行き交う人達が私達の事を
ジロジロ見ながら通り過ぎていくのが分かる。

でもお兄ちゃんはそんな事を気にせず

「もう21時だぞ!!
高校生が出歩いて良い時間じゃない!!」

とか何とか抱き締めながら言っており…

お兄ちゃんもお姉ちゃんもまだ高校生なのに
しょっちゅうチームの事で夜遅くに帰ってきてるし、何なら交際相手の家でお泊まりまでしてるよね…とは思ったが、そんな事は言えるはずもなく…

「…ごめんなさい、お兄ちゃん」

私が謝れば

「ほら、帰るぞ。皆心配してる」

そう言って無理やり手を繋がされ
傘を相合傘にして一緒に歩いて帰った。

…相合傘をしていると、
さっきのミヤ君との事を思い出すが…

私はまた顔が赤くなりそうになったため
何とか忘れようと必死になりながら
家に帰った。